持ち歩きLinuxマシンをそろそろ新調したいですが..

さてさて、この5年間、Windowsをすっかり使わなくなってしまった私でしたが、そんな私のメインマシンは Wind Netbook U100 でした。そう、ネットブックです。

昔から 10inch 液晶のモバイルマシンが ツボの私でしたので(12inch はちょっとでかくて使いにくいと感じます)、ネットブックの登場はまさに我が世の春でした。

プログラミングできて小さいパソコンが、安くって選び放題。小さいことは高いことだよね・・という時代からすれば本当に天国で、吟味に吟味を重ねて U100 を買ったのは、とても幸せ体験でした。

Windows ではちょっと狭すぎるかも・・な10inchワイド液晶も、Ubuntu Netbook Edition のような、小さい画面に最適化されたディストリビューションを使えば普通に快適です。タブレット の 10inch を狭く感じないのだから、結局「狭い」「広い」の感覚は、極論すれば UI がどのようなスクリーンサイズを想定しているかというだけなのかもしれませんね。

ネットブックが熱かった当時、空フェスというイベント(ニコニコ動画が中継)に参加したのですが、その事後 ustream 反省会(?)に「ネットブック一つで放送ができる」という話でて、この安いパーソナルコンピュータには夢があるなぁ、と思っていました。中学生が頑張ればお年玉で買えてしまうというのは、本当に夢があったと思います。

・・・が、それからわずか5年足らずで、新製品が全く出ない寂れの有り様。


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ネットブックの不幸は、動画やFlash などで Atom のパフォーマンスにみんな不満を感じていたのに 全然スペックアップしなかったこと(買い替え需要が全く掘り起こせなかったこと)と、OS が 結局 Windows になってしまったこと、「ネットブック」というユースケースを掲げてしまったことだと思っています。

特に後者の2つは深刻でした。Windowsという ネットブックには最適では無いUIを与えてしまったために、ネットブックWindows Mobile とか Windows XP Tablet などと同質の使いにくさも与えてしまいました。「ネットブック=画面が狭すぎて使いにくいPC」になってしまったが故、既存デスクトップOS の UI で 使いやすい範囲での最小PCを目指した MacBook Air や UltraBook が登場したときネットブックは「安かろう悪かろう」な存在になりました。

そして 「ネットブック」というネーミングとそこから連想するユースケースは、後のタブレットに そのまんま喰べられるわけです。ネットブックはその名に反して寝っ転がりながら Webを見るには使いにくいガジェットです。

そうして「安くって小さくって使いやすいコンピュータ」にも「ネット閲覧器」にも成れなかった ネットブックは、その生存ニッチを完全に失ってしまいました。

こうしてみると、ネットブックOLPC の理想を食い物にしたあげく、食い尽くしてしまったと言えるかもしれません。

「安くって小さいコンピュータ」というのが OLPC XO でした。そうでないと 子供が自分のものとして自由に使えるコンピュータになりません。でもそれを分かりやすい商品にする為に「ネットブック」にしてしまった為、流行るのも廃れるのも早かったのではないかと思います。誰でも(子供でも)自由に所有できるコンピュータは、ネットブックによってすごい勢いで拡散されていき、その勢いのママあっという間に世の中から消えてしまいまいした。本当に夢のようでした。

おかげで、別アプローチの Raspberry Pi が立ち上がるわけですが、あれはあれでハードルが高い(ポータブルでない)と思うのです。


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PC は消耗品です。使い込めばどんどん調子が悪くなっていきますし、可動部品も多いので、5年も持てば御の字です。

わたしの Wind Netbook U100 もファンが異音を立て始めていて、そろそろご臨終かな?という塩梅。ソフト面でも使い続けるのに難が出てきて、Ubuntu も 今ではなんだか激重になってしまいました。Unity 2D が無い今、これ以上のバージョンアップはもう無理かなという感じ。軽量デスクトップ環境だと 普通の広いディスプレイサイズを想定したUIになってしまいますし。12.04 が最後の砦ですねぇ。

今もほそぼそとでいいからネットブックが出ていれば、そういうのをフォローしたディストリも出たでしょうが、もう製品がでていないんじゃ、絶望的です。しくしく。

というわけで次のメインマシンをどうしてくれようと、本気で悩んでいるのです。