Kindle (安いやつ) を買ってみました

Amazon のセールで、プライム会員限定ですが Kindle (一番安い eペーパ端末)が、2,480円ということもあり、買ってみました。普段は8,980円なので、破格ですし、絶対的にも安いです。

とはいえわたしは、初代 Paperwhite(2012年モデル), 二代目 Paperwhite(2013年モデル)を持っていますので、どうしても必要というわけではないのですが

  • フロントライトのない Kindle を使ってみたい
  • 「キャンペーン情報」なるものがどれだけうざいものなのかを体験してみたい
  • 白ボディを体験してみたい

という、体感を得たかったのでポチッとしてみた次第です。

フロントライト無しについて

フロントライトのないKindle でみたい要素は3つあって

  • 導光板が表示面の手前にない
  • フロントライトでのドーピングがなくなるので見かけのコントラスト比が低くなる
  • そもそも のコントラスト比はどうなのか?
    • Paperwhite2013よりE-Ink の世代が古いので 同解像度E-Inkで比べればコントラスト比は低くなる
    • でも解像度は低いので、同世代E-Ink で比べればコントラスト比は高くなる
  • その低い解像度は読書にどれくらい影響がある?

というところ。

導光板が無いことについて

Kindle Paperwhiteがおもったより読み易くないのは、フロントライト層の厚みがあるせいだと思ってます。目がピントを合わせるべき面(文字面)の手前に反射やホコリで焦点面があり、そこにピンが迷うことが「目の疲れ」の一員じゃないかな、とおもってて、本来 eペーパー端末はそこがないのが強みです。

無印 Kindle では導光板がフロントにないので読みやすそうと思ったのですが、実際読みやすいですね。

ただ、フロントの保護の透明層があるので完全に表示面が露出しているわけではなく、若干の奥行きがあるかな?と思います。ホコリとか汚れとかがあるとやはり紙とは違う違和感を感じます。ですが「意識しないと違和感を感じにくい」というレベルであり、ホコリや汚れが字の上に浮いている感覚は フロントライトありのKindleに比べて遥かにすくないのは「楽」に感じますね。

コントラスト比について

画面のコントラストですが、Paperwhite は 解像度を上げてコントラスト比が落ちた分を フロントライトでドーピングして稼いでいます。そこは解像度が Paperwhite以前の世代である Kindle(無印) だとどうなのか。でも、 Kindle(無印) は E-Ink の世代が 2013以降の Paperwhite に比べて一世代古いので、その分素のコントラスト比が低いハズ。――などなど、いいのかわるいのかがスペックから全然読み取れませんので、実機に興味があったところです。

結論から言えば、Paperwhite(2013)のライトを最低にした状態*1よりもコントラスト比は悪く感じます。これは解像度が低いので文字がちょい太めにみえてしまうことと、ボディが白いことの影響もあるかなあ、と思います。感触としては新聞っぽい灰色さを感じます。Paperwhite は新聞より良い紙をつかってるようにかんじますから、やっぱり見かけのコントラスト比は低いですね。

もちろん新聞を読むのに困ったりしませんので、実用的には問題はないですが、快適度は違うなという実感です。

画面解像度について

うーん、厳しい。

一ページに収まる情報量がすくないとわたしはすごく読みづらく感じます。Kindle はもともと紙の本に対して「見開きにできない」という欠点があるので、それを補うために、わたしは、フォントサイズを最低にして読んでいるのですが*2、そうするとこの解像度は辛いな、と思わせます。

画数の多い漢字ですと一昔前のPCの画面フォントみたい。たとえば「器」という字の右半分の口と左半分の口のサイズが違うように見えてしまいます(明朝の場合)。普段愛用している「筑紫明朝」だと解像度がこのフォントの表示に耐えられていないのではと感じるものもあります。漢字だけでなくひらがなもパッとみただけでジャギジャギしているのがわかりますね。

ただこれは、わたしが 212ppi の Kindle になれてしまってるから厳しいというのはありそうです。300ppi の Kindle 入手したら 今の手持ちのKindleに同じ感想を抱きそうですねぇ(^^;

キャンペーン情報について

キャンペーン情報について、巷では2000円アップしても「なし」を選んでおけとよく言われていますが、わたしとしてはあんまり気になりませんでした。

キャンペーン情報ありを選ぶと

  • スリープ時に スクリーンセイバー(というか謎の絵)ではなく、月替りセールとかの広告が出る
  • ホーム画面の先頭にキャンペーン情報が追加される

という二点が変更になるようです。

最初のやつは、まぁ読んでない時の挙動ですので、いいかなー、と思います。電源ボタンでスリープ解除したときは、広告の解除にスワイプが必要なくして欲しいかな、と思います*3が、まぁ、しかたがないかな。

二点目は、正直 キャンペーン情報無し版でも先頭ページには「月替りセール」「ベストセラー」「Kindleセレクト25」とか表示されてるし、どんぐりの背比べかなぁ、と思います。若干「広告らしい体裁」なのがいやらしいですが、「ある」と「なし」の違いではなく、程度問題ではあるので、気にしない人なら大丈夫でしょう。

もともとどんなKindleを買っても広告は表示されます。これを「広告あり」ではなく「キャンペーン情報あり」と表記しているのはそういう事情があるからでしょう。

元からある広告の中で、一番鬱陶しいのが本を閉じる時です。

Kindleは普通にページめくりして最終ページにいったら閉じてくれません。「本を閉じる前に」というダイアログが表示されて、著者のその他の本や「この本を買った人は...」が表示されます。この情報自体は有益なのですが、「ページをめくる」というイベントをこのアクションがもっていってしまってるので、本を閉じるには「メニューを表示させてホームに戻る」操作をする必要になります。これが面倒くさいのです。

どうせ有料になるのなら、この操作をさせないで普通に本が閉じられるオプション(さらに2000円増しとか)もほしいですね。



――と、レビューを書いている間に Kindleファームアップが降りてきて、鬱陶しい度が若干上がりました。

新たに HOME 画面が増設されて、これまでのHOME相当が「マイライブラリ」と一階層下になりました。このページ自体が広告の塊ですね。それと「マイライブラリ」の先頭ページのみにでていた広告(キャンペーン情報)が常に表示されっぱなしになりました。

新しいHOMEは、読書中の「書庫」⇔「本」の動線を妨害するので、かなりうっとおしいです。新しいHOME自体は 設定でOFFにすることができ*4、これまでどおりのマイライブラリのトップをホームとして表示することはできます。

Kindle はもともとメニューからしか本を閉じられないのですので、ここに書庫ボタンがあればよかったのかもしれません*5が、もともとページを捲りきることで閉じられないのはおかしいという話ではあります。

ここらへんの「遷移のうっとおしさ」は、Kindleの「画面エリアごとの暗黙のボタン」の性もありますし、そもそもの仮想ボタン自身の押しにくさは eペーパー端末の宿命かもしれません。でもページめくりという概念で全部操作できている間は結構快適ですので、そういうふうに組み立ててほしいなぁ、と思います。でも Amazonって、商売への動線がつながりやすくるために意図的にやってる感があるのよね..。

白いボディについて

見た目はすっきりしててすごく好きなのですが、eペーパーの灰色さが目立つのが欠点かなぁ。実利面だけで選ぶのならば黒がいいかもしれませんね。あと手垢とか目立ちそうだなぁ、と思います。

でも白は独特の見た目の軽さがあって、わたし好きなんですけどね。

今後の使いみちについて

お風呂端末にする予定です。

お風呂で半身お湯に浸かりながら本を読むのが大好きなので、Paperwhite(2013)をお風呂に持ち込んでいるのですが、タオルにくるんで極力濡らさないように読んでいるとはいえ、蒸気に暴露されている環境ではあるわけで、流石に壊れてしまいそう。

そこで、この 2500円 kindle の出番となるわけです。どうせお風呂ではメガネをかけていないので、どうせぼやけて見えるので低解像度でも問題ないかなーと思ってます*6

おまけ /低価格系Kindle 仕様比較

Kindle Paperwhite(2012) Kindle Paperwhite(2013) Kindle Paperwhite(2015) Kindle7
発表日 2012年9月6日 2013年9月3日 2015年6月18日 2014年9月17日
発売日 2012年11月19日(日本) 2013年10月22日(日本) 2015年6月30日 2014年10月2日
世代 5 6 7 7
E-Ink Pearl Carta Carta Pearl
ppi 212ppi 212ppi 300ppi 167ppi
フロントライト あり あり あり なし
内蔵ストレージ 2GB 4GB(日本のみ) 4GB 4GB
通信方式(Wi-Fi) 802.11b/g/n 802.11b/g/n 802.11b/g/n 802.11b/g/n
通信方式 3G 3G 3G なし
価格(広告無し) 7,980円 9,980円 16,280円 10,980円
価格(広告無し+3G) 12,980円 14,980円 21,480円 なし
大きさ 169 x 117 x 9.1 mm 169 x 117 x 9.1 mm(多分) 169 x 117 x 9.1 mm 169 x 119 x 10.2 mm
重さ 213g(WiFi版)、221g(WiFi+3G版) 206g(WiFi版)、215g(WiFi+3G版) 205g (WiFi版)、217g(WiFi+3G版) 191g

もともとKindle Paperwhite が 第4世代のKindle の後継として誕生したことを考えると、Kindleの歴史は値上げの歴史ですね。円相場の影響も大きそうですが、電書立ち上げ期はどこも逆ざやだったのかもで、その是正から「ちゃんと儲かる電書端末」を模索しているのかもしれません。oasis とかその一環なのかしら。

ともあれ 5月22日までのPaperwhiteのキャンペーンで 7,300円引きになってるのですが、計算してみれば 21,480 - 7,300 = 14,180円で、ほぼ 前の世代のKindle Paperwhite の価格ですね。

*1:一番くらい明るさになるだけで、OFFにはならない

*2:わたしが老眼になる前に画面サイズの大きな Kindle が出てほしいなぁ

*3:この挙動の理由は、マグネットカバーを使ったオートスリープ・リリースだと広告が目に入らなくなっちゃうからでしょうね/まぁ動きを切り分ける仕組み自体でコスト増を招くのなら本末転倒ではあります

*4:立て三つ星(…を90°回展させたやつ)から [設定]→[端末オプション]→[Kindleのカスタマイズ]→[詳細設定]→[ホーム画面の表示] で オフ

*5:「戻る」ボタンの場合、書庫から本を開いていたとしても、ページ内ジャンプをしていたりすると書庫にもどれない

*6:老眼じゃなくって近視ですよ!