ど根性ガエルの娘
- 作者: 大月悠祐子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2016/11/01
- メディア: Kindle版
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昨日配信された15話が非常に話題になっています。
younganimal-densi.com - このウェブサイトは販売用です! - 白泉社 ふたりエッチ 木曽フミヒロ 我輩ノ彼ハ馬鹿である 土塚理弘 リソースおよび情報
14, 15話は非常に身につまされるものがあり、それはわたしが自身の経験や現状と対比させてしまうものを持っているからなのですが*1、多くの人にはどう届くのか、興味があります。
絆という言葉は、美しい言葉や心情を表すかのように、喧伝されるものではありますが、その意味は単に「断つことのできない人と人との結びつき」であり、語源をたどれば動物がたとえ意志を持って離れようとしても離れなれないようにするための綱であり、ザワザワしたものを感じえないものです。
愛情から出たものであるからそれを喜ばなければいけない、家庭が平穏であるためには相手が望む言葉を返さなければいけない。そういうどうしようもない関係性を築いていたとしても、それを断つこともできず、好意も愛着も消すことができない。
――これは絆だ、と思いました。
この漫画はまさしく家族の絆を描いていると思いました。わたし自身も未だにその絆に囚われたままであることを思い起こさせられます。
だから、とても共感してしまいます。
* * *
この漫画について、この15話のことが巷で話題になってから知ったのですが、その過程でみた意見について少し思うことがあります。
初期の話とここ最近(13話以降)の対比をもって、そこに矛盾を見出し、「連載開始時には隠されていた深い憎悪」や「告発の機をまっていた」「『現在は良好な家族仲』というのは嘘であった」的な解釈を見ると、やはりいろいろ感じるものがあります。
そうではない、とわたしは感じます。その矛盾的なものも含めてそれが描くべき家族の姿であり、一つのテーマと感じるからです。
作者に腹黒てき邪推をするかどうかは、そこに共感できるかどうかなのかな。なので、共感できるかどうかで大きく印象が変わってしまう(最初からこんな感じだったよという人と、急変したという人のギャップはそこなのかな、と思います)、でも、どちらの立ち位置に読者がいても、面白いと感じるこの踏み込みの深さは、この作品をきっと素晴らしい物にすると思います。
というわけでおすすめです。
*1:作中の環境と違って、わたしの父はギャンブルはしませんしふつうに稼ぎ続けましし、母は壊れませんでしたし虐待もありません。――って、なんか不自然な擁護っぽくなってしまってうまくかけないのですが(^^; あくまで共感の種になる似た傾向の経験があるという程度と言いたいです