ありふれたコトバの先に


TVアニメ「かしまし」のエンディングテーマ「みちしるべ」が良くって、そのキャラクターソング集「Norte Amour」の作曲と作詞がホントに良くって*1、1stアルバム「Key」を買ったらそれが凄く良くって、すっかり ゆうまお さんのファンになってしまった三猫です。

音楽にはてんで詳しくない猫なので、つっこみどころバシバシなのですが、私、ゆうまお さんの歌を聴いて「シンガーソングライター」という物を生まれて初めて意識しました。

「シンガーソングライター」という言葉に捻くれ猫はなんとなく「なんでもできてすごいぜ〜、て言いたいのね」とか「自分で全部やらなきゃ気が済まない人なんだ」なぁんてイメージを持っていました(もちろん、理屈じゃなくて単なる感情論で。天は二物を与えずと信じたい症候群ともいう。あたしゃなんの才能もないから)。

でも心を歌に乗せる為には、曲を作り、詩を書いて、歌うというプロセスを一人で行うのは自然で効率のよいシステム(コンピュータ屋っぽい表現でいやだなぁ)なのか〜、と思うようになりました。思うに、歌にとって詞と曲は分業可能であっても、本質的には不可分なのかもしれません。(SEとPGのように)

あたしが、ゆうまお さんより良い曲を書くと思っている人は居るのだけれど、こんなに良い歌をあたしは知らない。なぜ音楽にこころを乗せることが出来るのかは解りませんが、歌には絶対 詞と旋律だけじゃない凄く凄く太い帯域があって、それに載ってきてしまうものがある。ゆうまお さんの歌の良さはそういう良さだと、あたしは思うのです。

心を伝えるためのもっともリッチな方法が歌ならば、まず歌のカタチにしなくっちゃならないから。だから一人で心を歌のカタチまで作り上げるシンガーソングライターというスタイルは、凄いのかも。

かなり電波気味の文章でしたが(^^;)、言いたかったのは「歌ってすごいな〜」。あたしゃ、彼女の歌を聴くと、もう何度も聞いてるのに、いまだに泣きそうになっちゃうんです。



さて、そんなわけで、今日は ゆうまお さんのワンマンライブ「Key of live 〜2年目の蒼空〜」に行ってきました。猫はどうしても、生で聞いてみたかったんです、ゆうまお さんの歌を。

小さな部屋にわんさか人が入っていて、とっても暑いライブだったのですが、とても楽しかったです。あたしゃ、もっとしんみり沁みるように聞くのかと想像してたのですが、へんな楽しくハッピーな感じのライブでした。

オモチャのピアノ(?)で演奏したり、TAKE OUT!! 式国勢調査(笑)とか、楽しい企画がいっぱいで、ホントに良い意味で期待を裏切ってくれました!それにね、他のメンバの人、素敵すぎ(笑)ギターのお兄さんのノリノリは凄く凄くイイ!(ファンになっちゃう)、バイオリンその他いろいろの女の子はなんか全然型にハマって無くて、見ててワクワク。ドラマーのお兄さんの不言実行ユーモアはタップリ笑わせて貰ったのです。でもでも、その中で平然とマイペースなベースのお兄さん、ホント格好よかったなぁ。いやいや、なんか話がそれてきたゾ(笑)

――なによりも、幸せが心に沁みて泣きたくなっちゃうような、そんな歌がこの世に生まれていくところをこの耳で聞いてこれた。そのことに満足で歌の幸福感が今の私を包んでいます。語彙の少ないあたしには「ブルブルっと来て、ゾクゾクした」としか言いようがないのですが、なんだろう、悲しい物語を読んだ後のような感触が悲しさと関係なしに私の中に沸いてくる、そんな感じ。歌の感想を上手く書けないのはなぜなんだろう。

印象に残ったのは、トークで歌について「心に嘘がつけない」というゆうまおさんの言葉と、それにウンウンと頷くバイオリンの女の子。私は多分ずっと忘れないと思う。

きっと、次も行きます。おやすみなさい。

*1:キャラクタソングというと、どうしても「それっぽい歌詞」に「それなりの曲」が量産されがち(←全部がそうでないのですが)のですが、Norte Amour の詞の力は凄かったし、旋律は詞そのものでした。小説や漫画、映像以上にそのキャラの心を描画してみせるなんて、凄いなぁ…、プロだなぁ…って思った。