それは理想と現実なんて話ではない。

プログラミングの常識vs日本の現実 - カレーなる辛口Javaな転職日記

いくらなんでも今回の話を 上位・下位とか、理想と現実とか言われると、「いあいあ、そういう問題じゃないでしょう」と思ってしまいます。

「一行一行を大切に書く心がけ」を「そんなのはプログラマの基本で常識」と書ける人はどのぐらいの人なのだろうと思ってしまう。
変数名がちゃんと書ける人がどの程度いるのだろうか。

http://kazuhiroyamazaki.blog56.fc2.com/blog-entry-63.html

私の感覚では、これが出来ないで許されるのは新人までです。その新人だって10月〜12月とかそのくらいまでには 出来るようになってもらわないと話になりません。だってそういう人の書いたコードは絶対コミットできないから、チームとしてはその人の存在がマイナスにしかならない。マイナスにしか成らない人材をいつまでもマイナスのままにしておく教育って、教育として破綻しています。

こと「プログラム」の話だと、やたら高度なスキルみたいな話にされてしまいますが、これってたとえるなら「まともな挨拶のできない営業」と同じレベルの話にしか思えません。もし巷に「まともな挨拶のできない営業」があふれかえったからといって、それを現実と諦めて受け入れるのはなにか違います。絶対。


* * *


とはいえ、そう言う酷いプログラマばっかりふきだまって、マイナスが相対的にマイナスじゃ無くなっちゃったような 恐ろしい環境が実際あって、しかもそんなに珍しくないというのは私も知っています。コマッタもんです(T△T

そう言う環境に配属されちゃったら、本人にどんなに学ぶ意欲があっても、まともな――常識的なプログラム が書けなくなってしまう、腐ってしまいます。だって、正しい方向に伸びてもだれも評価してくれないんだもん。

だから、環境整えずしていくら教育だなんだやっても、無駄なんだと言う話も至極納得です。


でも納得してくれない人も多いとおもうので、一つ小話です。


ある現場の配属初日にプログラムを作ったら、「これじゃ使えない。即刻書き直せ」と怒られました。その理由が凄くって、共通処理や 規模の大きな処理を関数にまとめたら ファイルの上から下まで順番に読めないプログラムは読みにくくて仕方がないですって。関数をつかうとコードがあっちこっちに飛んで汚いんですって。結局関数は全てフラットに展開して、同じ処理はコピペに置き換えましたとさ...。しくしく。*1


嘘みたいなホントの話。私もそれを言われたときはポカーンと毒気を抜かれてしまって、うまく反論できなかったですよ(^^; 押さえるポイントは「一人トンデモ上司がいた」と言う話ではなくって、右も左もそんな調子だということ。場の常識がそうであるなかで、自分のほうが正しくって周り全部が間違っていると思えるのは、他の世界を知っている人だけです。

そんな現場でいくら意欲があったって、いくら頑張ってみたところで、間違った場のエネルギーの満ちた環境でまともなプログラマになれるわけがありません。

もし、「一行一行を大切に書く心がけ」を「そんなのはプログラマの基本で常識」と言えないような環境にいるのなら、でも普通のちゃんとした「プログラマ」に成りたいのなら、私は即刻転職することをオススメします。

いくらコの業界が酷すぎると言うからって、いくらなんでも全部がここまで酷いって事はありませんからっ!――で、すよ、ね?(不安になってきた)

*1:当時のコラムはこちら。なんかストレスと逃避に満ちあふれた文章が懐かしいです。へんに前向きな自分が今から見ると痛々しい...。