砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

酷い話。本当に酷い話。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

この話は酷い話で、私は泣いてしまいそうになるのだけれど、最初にまず結論だけが突きつけられて、ページをめくる度に時間の始まりと結果の両方からジワジワと中間に向かって同時に話がすすむので。逃げられないのだ。避けられず、受身も取れず、ただ真正面からこの酷いお話に跳ねられるしかないのです。

あっけらかんとした後書きを書く作者も、こんな表紙をつけてしまう編集も、みんな酷いのだから、きっとこの本はそう言う風に出来ているんだ。心構えを固めるまえのところからすでに伏線に囲まれてしまっていて、私は読みながら本当に身動きがとれなかった。*1

だって、だってさ。なんで海野藻屑なんて名前をつけてしまうのさ。


* * *


私はよくお話を読みながら自分が神様になってかわいそうな運命を変えることを妄想する。だけれども、このお話はそれを許してくれなかった。こんなハメ技受けたのは生まれて初めてだ。そして何度読み直しても勝てる気がしない。酷い。

おのれ桜庭一樹。くそっ、GOSICK も全部読んでやるから、覚えていやがれっ! ・・・です。

*1:それでいて、サイコロジカル・ミスディレクションの話をさせるなんて、確信犯にもほどがある!