不思議系上司の攻略法

またか SEネタです。最近流行っているのかしら。

不思議系上司の攻略法 (メディアワークス文庫)

不思議系上司の攻略法 (メディアワークス文庫)

今度のSE は構築系。ある日出資元の会社からやってきた上長は若い女性で(またか!)、もともと赤字で取ってきた仕事を黒字にすることを強要します。当然現場の反感を買う彼女、けれども、その裏には・・・、みたいなお話。

河原田がぼやく。
コストコスト言う割には、上の連中は赤字案件ばかり持ってくるよな」
「ですね」
健二も頷く。下請け案件が多いせいなのか、はたまた業界の構造上の問題なのか。

あーうー。

まぁ、上司が休日メイド喫茶で働いている・・とか、主人公とラブコメ風味とかとかは、はっきり言っておまけでしょう(ぉ。コの業界に棲む読者諸兄が楽しむべき醍醐味は、やっぱり理不尽な SE の生活の方でしょう、絶対!(という偏った読者の意見ですみませんm(_ _)m )

陰謀と無茶ぶり渦巻く SE の現場が、段々普通の小説のような非現実に陥っていく描写に、なんというか、フィクションに突き抜けてくれてホッとしてしまいました。なぜでしょう、過労で死んだ・・よりも殺人事件で死んでもらった方が平和に感じるといいますか。むー、感覚狂ってるなー。(いや、この本では起きませんけど、殺人事件)

というわけで、なかなか、結構、いろんな意味で楽しめる本作なのですが、唯一残念なのは、タイトルでしょうか。彼女を「不思議系」とするのはさすがにちょっと強引です。