なれる!SE 3

どうぞ僕に地獄をみせてください。この会社に入ったことを後悔するくらいに、本物の鉄火場というやつを」

えっと・・・・。

なれる!SEを読んでいると思ったら、気がついたらブラックラグーンだった。何をいっているか分からないと(ry・・そんなポルナレフな3巻目です。

なれる!SE (3) 失敗しない?提案活動 (電撃文庫)

なれる!SE (3) 失敗しない?提案活動 (電撃文庫)

今回はいよいよ提案営業に進出です。・・なんだか段々酷くなってきて、読んだら鬱になりそうで、なかなか手をつけられませんでした。

さて、今巻はしょっぱなからなんだかいろいろ危ないネタ満載で、

「あれは大手電気メーカー、NBIのアカウントセールスとプロダクトマーケよ。自社のiDCを売りたくてしょうがないから今回みたいな案件には必ず顔を出してくる。で、その二つ後ろに座っているのが新電電(NCC)最大手のネットエフェクト、一番奥にいるのは外資系SI会社のインヘリタンスね。

付せてない伏せてない。

「へぇ……ちなみにどんな会社だったんですか?そこ」
「京都の花札屋さん」

伏せてないってば!

と、小ネタはこれくらいなのですが、本巻はブラックに今までの巻き込まれる展開から、ブラックに巻き込むという進歩を見せる工兵くん。本当にブラックラグーンな展開でビックリしました。

フィクションとしては燃える展開で、精鋭エンジニアが鉄火場(本文ママ)を切り抜け、大手SIer の度肝を抜いてしまう シチュエーションは、アドレナリンがたぎってきます。限界を越えたその先を見せてやるぜっ!みたいな。

・・・・・・・・ただ、小説にこんなことを言うのも何ですが、世の中魔法のような事はありません。限界を超えることができますが、それには相応の対価が必要です。

「鉄火場」は本当にシャレではなく死人がでるから「鉄火場」になるのです。この小説がなまじリアルなディテールを持つだけに、わたしはこの小説のラストに梢か室井さんが鬱病でリタイヤとか、工兵が次第に現場と乖離していき(ちょうどブラックラグーンのように)その歪みを自覚する展開とか、そういうモノを望んでしまいます。あぁ、わたしってば歪んでる...orz

ここで心機一転、ポジティブな感想。

「僕は見てみたいんです。あの人の無茶を乗り越えた先に何があるのか。自分がどんな人間になれるのか」──
そう、入社以来何度も体験してきた。彼女の乱暴な指示をこなす度、トラブルを乗り越える度、自分の視点が上がっていく。世界が広がっていく。もっと、もっと見せてほしい。

には、昔師匠の下で働いていた頃を懐かしく思い出してしまうのです。

わたしの最初の職場は開発だっけれども、スルガシステムみたいな感じの小さな会社だったんですよ。地球か、、今は何もかも懐かしい・・・。