eToys の使いどころ
あたしは Squeakは好きなのだけれど、実は eToys はあまりいじったことがありません。というのも、タイルをぺたぺた貼るよりも Smalltalk コードを書いちゃった方がまどろっこしくなくて良いのと、そもそも eToys を使おうという動機付けが全然ないからです。
Squeak eToys は、教育用言語として名を知られているけれど、どうしても子供向けというイメージがつきまとっています。なんというか、一言で言えばゲームめいているからだからかしら。ゲームは楽しいし、子供が夢中になるには楽しいのが一番だけれど、肝心なのは、どう便利か、と言うことだと思う。ゲームとして楽しいだけのものは、飽きるまでの命だと思う。
だから、大人初心者(しかもプログラマになる気がない人たち)にプログラミングを勧めるときは、あたしは ひまわり とか なでしこ を選んでしまいます。わかりやすく「プログラミング」してるし、便利だし。誰かが作ったコードを読むのに 特別なスキルがいらない、というのも大きいかな。猫の心情としては Squeak を進めたいのだけれど、Squeak eToys は「便利」のシチュエーションが難しいのです。
それでも Squeak を普及させたい猫としては、果たしてどうすれば Squeak が(大人にとって)便利になるのかなぁと考えてしまうのだけど、ようやく「なるほど」と思える例を見つけました。
Squeakで学ぶプログラミング(初版)、慶應義塾大学 大岩研究室のコンテンツです。Squeak eToys で重力のシミュレーションなんて珍しくはないけれど、この講座は対象が大学生だから、試行錯誤でそれっぽい動きを作り出すところで終わらないで、最後にちゃんと数学的シミュレーションとして作り直しているところがちょっと違います。
思考するためのツールとして プログラミングが素晴らしいことは解っています。コンピュータの教育への利用とは、考える道具としてコンピュータを利用できるようになるためのものであるべきで、情報教育と称して 小学生に MS-Word や Excel の使い方を教えるのはナンセンスだとおもいます。(だいたい彼らが大人になるまで、そのツールが生き残っているかどうかが怪しいしなぁ)
その為の Squeak や Logo だと思うけれど、Smalltalk の「子供でも使えて、その子が大人になっても(何かの専門家になっても)使い続けられる」という思想は、端からはあんまり理解されてないと思うし、正直猫も eToys に関しては大人が使うのはどうだかなぁと思ってしまっていた。「絵を動かすだけなんて、遊びだ」と思ってしまう。
でも、「考えるためにだけに絵を動かすプログラムを作る」くらいに お手軽に絵を動かせる環境はあんまり無いし、それは便利なことだ、という認識は、あんまりなかったなぁ。――というわけで、新しい気持ちで Sqeuak eToys で遊んでみたのですが、泣きたくなるくらいいろいろ解らなかったです (TT)
なめてました、ごみん ...orz