今時のキーボードの洗い方

Realforce 89 は類い希なる異常にお掃除のしやすいキーボードです。じゃあ、極々普通の、今時のキーボードのお掃除はそんなに大変なのか…というと、結構たいへんです。

極々普通のお掃除

今時の*1キーボードのスッキリ丸洗いを阻む原因は、キートップスライダに塗られた潤滑剤です。

Realforce が掃除しやすい理由の一つは、キートップスライダ(キートップを支える上下駆動する棒)とキートップが別部品になっていることでした。

摺れる部品と指に触れる部品では素材を変えるのが自然ですから、昔のキーボードはみんなそうだったのですが、近年のキーボードの低価格化競争により、みんなキートップと一体になってしまいました。で、足りない摺動特製を潤滑剤で補っています。

なので、今時のキーボードのキートップを丸洗いしてしまうとこの潤滑剤も洗い流してしまうので NG です。今時のキーボードの場合、キートップは軽く拭く程度に止めるしかありません。

今時のキーボードでは、キートップをキーボードに付いた状態で水拭きし、キートップを外して、ケースの底(件スライダー受け)のゴミを掃除機で吸い取るくらいにしておきましょう。丸洗いより大変で、酷いヨゴレには効果が低いのですが、それでも定期的にきっちり手入れすれば十分です。

一つ上を行くお掃除

とは言え、キートップや外装の丸洗いを阻むのは、潤滑剤が落ちてしまうからというもの。実は、丸洗いすると落ちてしまう物には、もひとつ、キートップスタビライザの軸受けに塗られているグリスもあります。(これは「今時」云々に関わらず昔の物でもそうです。むしろ Realforceが特殊)

ようするに、洗うと落ちてしまうものがあるなら、もう一度塗ればよい、と言うわけです。

スムースエイド

最近のキーボードに使われているのと同等の潤滑剤の入手方法を猫はしらないのですが、かろうじて普通の人が買えるのが、アキバのキーボード専門店 ネオテックさんで売っている スムースエイドです。

スライダ部のスライダ受けと接する部分にこれを塗って、一時間くらい乾かしから 組み立てます。素敵な打鍵感が得られること請負です。

セラミックグリス

スタビライザの軸受けには、猫はタミヤのセラミックグリスを使っています。

全国のミニ4駆愛好家にはおなじみの*2樹脂を侵すことのない素敵なグリスです。


この二つを用意すれば、丸洗いもハブラシゴシゴシも怖くないっ!――ってわけです。まぁ、ここまでするのは、中古キーボードを買ってきた時くらいなのです。

総括

今時のキーボードは、かつての「安すかろう・悪かろうなキーボード」と、部品構成を見るだけではまるで変わりません。しかし潤滑剤やスライダ形状、スライダとその受けの遊びの適正値、ラバーカップ形状などのノウハウが蓄積された結果「安いけど悪くないねなキーボード」になりました。本当に凄いことです。

しかし、やっぱり「丸洗いしてまで使う」ようなキーボードではないのかも、と言うことなのでしょう。メーカーにとって見れば、そこまで使い込んだなら、新しいの買ってね、なのかしら。そのときには「新型」がでているしね。

「このキーボードじゃなきゃいやん」なんて一つのキーボードに拘って、ずっとメンテしていくには……なんて、それはマニアだけかもね。

*1:安物の…と言えなくなったのが悲しい

*2:と、思いきや、ミニ4駆は最近はチタングリスなんだそうな