天体の回転について

タイトルに惹かれて買ってしまいました。表紙は素敵だけれどはっきりってミスマッチです。

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)

短編集。SFなのだけれどグロいです。

変なひねりとか落ちがあるのだけれど、ブラックに落とすにも星新一みたいにカラッとしていなくて、粘着質のブラックさがいちいち読後にネチョネチョ後を引きます。面白いです。

この中では「あの日」が一番好きかな?宇宙で暮らす子が古代地球時代を舞台にしたミステリ小説を書く話なのだけれど、物理現象の描写が「知識だけ」で書かれているので、リアルにその世界で生きる私たちには「ありえなー!」な連続なのがおかしい。読みながらツッコミまくりでした。

SF的には時空争奪戦がワクワクしました。でもこれはオカルトでもあります。量子論的な宇宙観やパラレルワールドとはぜんぜん違うのが素敵です。