宇宙生命図鑑

んー(後述)。

宇宙生命図鑑―book of cosmos (徳間デュアル文庫)

宇宙生命図鑑―book of cosmos (徳間デュアル文庫)

小林めぐみさんの代表作。舞台設定としてはアバターと同じく、現住民族がいる所への地球人の強引な移民から始まります。森を舞台にするあたりも、現住民族の姿も、なんとなくアバター的な脳内映像化(ただし、でかくない)。

原住生物「ヒーラー」は女しか居ない、単為生殖する生物で、働きアリ的な「クバシム」(でも子供を生むのはこっち)、別に子供を生まない、ただ美しいだけの「ヒリ」の2タイプから構成されます。・・・むかし男がいたのでは?という謎と、古代遺跡の謎、そこに立ち入る研究者トキ乃を中心に物語は進んでいきます。

てすが、その物語の本当のところは恋愛です。クバシムのディリ、ヒリのウルマの間の同性愛?・・というか愛とはなに?というあたりの問いかけが、SFチックで素敵です。

というか、ここを本筋と考えないと、なにも話が終わっていません。タイトルの「宇宙生命図鑑」は登場すれど結局なんだったの?的な感じで。それらに関わる非常に魅力的なキャラクターも活躍するのですが、そっちを軸足に見ちゃうと本作はプロローグにしか思えなかったり。

あ、でも、たとえ単巻でも面白いです。だって、2002年の第二回センス・オブ・ジェンダー賞を受賞しちゃったりで面白さにはお墨付きです。