セイギのチカラ

力の在り処 みたいな、みみっちい超能力者の集団のお話。

セイギのチカラ (宝島社文庫)

セイギのチカラ (宝島社文庫)

もともと「ココログ小説」だったそうで、本にされると何となくブツ切り感が漂うのが残念です。メディア毎の心地よい ハッシュのボリュームってありますなー。

出だしこそ猟奇殺人で大人向けのミステリーといった雰囲気でしたが、全編を通せば、どちらかというと図書館の子供室にあるような児童文学的な味わいのある本です。超能力が個性的で(念力を使うとどんどんハゲてしまうとか、GPS視点を得られるが代償としてしばらくの間思ったことを全部喋ってしまうとか)それもとっても楽しいし、力を合わせて巨悪と戦うあたりも、わたしの子供心がワクワクします。

なんといっても、この台詞がお気に入り。

「何が正義じゃ!正義は単純なものじゃ。人を傷付けてはいかん。人を騙してはいかん。人から盗んではいかん。子供でも分かるようなことこそ正義じゃ。ああだ、こうだと能書き付きの正義は偽もんじゃ!わしら戦争を経験した者なら誰でも思い知らされたことじゃ」

みゅー