チグリスとユーフラテス

久しぶりに読みたくなって読み返し。この作品は映像化すると感情移入できなくなる、見事に小説の醍醐味みたいな、新井素子的なエグさが素敵。

チグリスとユーフラテス 上 (集英社文庫)

チグリスとユーフラテス 上 (集英社文庫)

チグリスとユーフラテス 下 (集英社文庫)

チグリスとユーフラテス 下 (集英社文庫)

結局謎の原因で子供が埋まれなくなってしまった。400年ばかりで結局宇宙移民に失敗した惑星を、その歴史を遡るようにコールドスリープした人を起こしていく「最後の子」ルナ(と言ってももう老婆)。

そんな SF なのですが、わたしはついつい定期的によんでしまう本でもあります。それは、最後に起こされる、最初の移民船のクルー、レディ・アカリ、彼女の強さに強く惹かれるからです。客観的に見れば彼女は不幸で、どうしようもなく酷い仕打ちを受けているのですが、彼女は無敵で、その前向きさと尋常ならざるパワーでそれを幸せにしてしまおうとします。

わたしは、彼女に会いに、イブになってなんどもなんどもレディ・アカリを起こすためにこの本のページをめくります。というわけでお気に入りの本だったり。