無限論の教室
カリー=ハワード同型対応を知ったとき、わたしは感動できませんでした。なんというか「ふーん」という感じで、call/cc と排中律の対応を知ったときにくるゾクゾクゾク、と背中に来るような感激をわたしは体験することが出来なかったのです。
感動できるわけがないのです。だって、わたしは「排中律」を知らないのですから。
これはわたしが論理学にあまりにも疎いということで、まずいなぁ、ということで、にわかに勉強をし始めています。あちこちのサイトの「おすすめ本」を買いあさってみたのですが、気付けば 野矢茂樹さんの本ばかりになっています。うーむー。
その中でも抜群に面白かったのが、「無限論の教室」です。
- 作者: 野矢茂樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/09/18
- メディア: 新書
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本作は、名物教授と、たった二人しか集まらなかった講義の、対話形式で書かれています。タジマ先生はいい感じに変人で、タカムラさんは意外な押しの強さとひらめきと理解力の良さを見せつけますが数学はちょっと苦手。「ぼく」は数学が得意で決して無知ではないのだけれども、それが知識でしかないきらいをみせます。
なんだか数学ガールみたい。
わたしとしては、無理数は数じゃない(ジェネレータである)、可能性無限(無限に数を作り出すジェネレーター という本質)という説は新鮮で、とても素敵だな、と思いました。無限って深いのね。
問題の「排中律」も中程に出てきます。が、そこはなんだかどうでも良いと感じてしまう心地よさがあって、この感触はやっぱり数学ガールに似ているな、と思いました。