コミケット3日目

まだ暗い一般行列の中、白いコートに たぬ耳を生やしたコミケスタッフの女の子が、人の誘導を行っていました。コミケットは伝統的にお行儀の良いコミュニティなのですが、ウン十万人も参加者が居れば中には不届き者もいるものです。そんなだから、彼女は声を張り上げます。

「危険ですから走らないでください」
「転ぶんじゃないわよ」
「べ、別に心配なんかしているんじゃないからね!」


・・・・・・ナイスだわ!

そしてどこからともなくわき上がる拍手。これがコミケット・クオリティ(w


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さて、ホントのような嘘のような光景から始まった今日のコミケット、トップの写真もホントは朝、昼 と来て、3日目は夕暮れにしようかと思っていたのですが、急遽予定を変更してしまいました(w

今日は三日目。別名を男祭り。男性向けゴニョゴニョゴニョが集まる今日は、最も人が集まり最も過酷なコミケットとなります。しかしその一方で創作マンガ、その他書き物、面白いものが集まるのも 三日目ですので、猫はこの身を裂いて増やしたい気持ちでいっぱいです。(こんど生まれ変わったらプラナリアになろう)

ゴニョゴニョゴニョ本は置いといて、なんと言っても楽しいのが創作マンガです。プロの漫画家を目指す人から、アクマで趣味でマンガを書く人、商業ベースでは決して作れない本を作り続ける人 などなど、一言で「オリジナルマンガ」といってもいろんな作家さんがいて楽しい世界です。(最近ではそのまま本になっちゃったりとか。「鉄人28娘ちゃん」とか「おたくの娘さん」とか)

商業ベースに乗る、ということは制約が作って事です。それが当たり前になると気がつかないのですが、何かを得るためには何かが犠牲にされています。(SuICA 化された キオスクのうっと惜しいことと言ったら!)

本だってそうで、観音開きの本とか、巻物のような本だとか。装丁に凝った手作り本が楽しめるのも 同人誌の醍醐味! ・・・で、いつも凝った手作り装丁の本を出しているサークル 物語クラブ さんに行ったのですが・・・出遅れました。うぅ、今回はボトルに入った巻かれた本だったそうですが、残念ながら売り切れでした。

今日のめっけもんはこちら

志村貴子さんの「青い花」のパロディ同人誌なのですが、オリジナルの雰囲気を非常によく醸し出す秀作です。作品に対する愛があふれている、そんなパロディ本を見つけられたときは、この上ない至福の時です。


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さて、猫が本以外でコミケ買うものと言えば、石けんです。

薬事法上「キッチンソープ」なのですが、昔ながらの手法で作った石けんですので、自己責任で体だって洗えちゃえます。添加物が入ってないので 泡立ちも悪いし市販品ほどの日持ちもしません。お風呂場に置きっぱなしにしちゃえば溶けちゃう事だってある、ちょっと使い勝手の悪い石けんですが、「日持ちさせる」「泡立ちを良くする」という添加物が入っていないので、お体には優しい様子。猫はアトピー対策として導入したのですが、手作り石けんに代えてからかなり調子が良くなりました。(プラシーボかな?・・・でも楽になったのはホントだから、結果オーライです)

その他、ぬいぐるみ、猫の写真集、オリジナル曲のCD、謎の基板、アクセサリー などなど、ホントいろんなものが売ってるコミケットですが、今回あたしが初めて見つけたのは、なんと昆虫標本! 模型じゃなくて標本です。ラインナップも凄くって、ヘラクレス大カブトムシとか、一体モトはどうしたのかしらってな大物もいたり。・・・いやはや、ビックリ。


それと、手作り小物系ではとっても可愛い猫を発見しました。

もう一枚♪

信じられないくらい可愛いので思わずお買い上げ。うにゃ〜、満足です。


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コミケットは、米沢さんが亡くなって初めてのコミケです。肺ガン発症後の今年の夏コミですら、米沢さんは参加されてました。コミックマーケットが日本のコミック文化に与えた影響ははかり知れません。米沢さんもコミケットも知らない人だって、あふれかえる漫画文化という形で絶対に恩恵を受けているのです。(そう、プログラミングの世界での ストールマンに匹敵する存在です)

そんな米沢さんを偲んで、最終日の閉会前に黙祷のアナウンスが流れました。その瞬間、いつもと同じ会場、同じ人混みなのに、今まで経験したこともない静寂に包まれたその場を、猫はきっといつまでも忘れることが出来ないでしょう。

何度も潰されそうになったコミケを必至に支えてきた米沢さんが居なくなっても、半年後にコミケがあるのが当然のように享受出来る日々が永遠に続くことを祈って。それではまた半年後に