春季限定いちごタルト事件

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

私の一家は、私も母も妹もみんな重度の活字中毒なのですが、私だけ本の趣味が違うので、あまり一家活字中毒の恩恵にあずかれていません。母は妹は推理ものが好きなのです。そういう動機で購入したのが米澤穂信の 春季限定いちごタルト事件です。母さん、事件ですよ!・・・・・・って、この本を選ぶ時点でとことんライトノベラーですね、私。

この本は小さな推理モノがいくつも詰まった構成ながら、全体で一つのお話になっています。ぶつ切りにされて読むのが苦にならない点で電車向きでしょうか。ほんわかしたタイトル同様、殺人も電車トリックも無いお話。

小鳩くんと小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに二人の前には頻繁に奇妙な謎が現れる。

てなお話です。

名探偵気質なのに、どうにも目立ちたくない(けど目立ちたい)小鳩くん。小さくて気弱で甘いものに目がない女の子なんだけど、どうにも不自然な小佐内さん。その関係はとても謎なんだけど気になって気になって。あーなんか、事件なんかどうでもいいから、この二人がなぜそんなに小市民たろうとしてるのかが、もう気になって、気になって。

なるほど、謎(ミステリー)小説ってこういうものですかっ!