しずるさんと偏屈な死者たち

表紙が素敵ですが、実はこんな感じではまったくないのです。「・・・なるほど、今時の小説はこうでないと売れないのですか。」と、一時は揶揄したのですが。

難病を抱え、何年も病院に入院している 美しい しずるさん。彼女の元に足繁に通う、素直なよーちゃん。しずるさんはすぐに不思議な怪事件・難事件を解いてしまう。

基本的に夢もへったくれもない 王道推理なのですが、しかしどうしても、どうしても怪奇物になること、不思議がそのまま姿を表すことを期待するのを辞められないのは、しずるさんの纏う独特の雰囲気(ようするに得体の知れなさ)によるものだけれど、この表紙は、無いのに在るのを期待してしまうソレを、本当によく表現しているのかもしれません。

「不条理や矛盾、説明のつかない謎、そういうものを創ることこそが人間が生きるということだよ。

猫一押し。すっごいおすすめです。