みんなMSのせい

LL Future でよく寝たので、こんな時間に起きてしまいました(^^; というわけで、なんとなく思い出話なエントリを書いてみました。(中身は無いです)



私は、.NET がリリースされる頃 に、.NETのちょっと大きいプロジェクトに参加していました。MSのサポートエンジニアが選任でついてもらえて、一緒に仕事をすることが出来ました。本当に優秀な人達で、対応も良好で、私のMSに対するイメージが大きく変わる契機になりました。

トラブルはいっぱい発生しました。その中には .NETのバグも、VisualStudio のバグも確かにあったのですが、殆どがこちら側のバカな使い方に起因するものでした*1。にもかかわらず、それのサポートをしなくてはいけないMSの人は本当に大変なんだなぁ、と、その働く様を目の当たりにして初めて思うことが出来ました。(もちろん仕事なので、MSはその分の対価を得ているのですが、それでも「MSのせい」という態度の客を扱うのは大変ですにゃねー)

この業界、MS のせいにすることが なぜだだかクールなイメージになっているので、みんな簡単に使ってしまうのですが、それを言われて裏方で行われていること、――原因調査、社内DB に事例の登録、顧客に説明 をみて、それは、ちゃんとしない技術者がちゃんとした技術者に尻ぬぐいをしてもらっている ということで、技術者として とても恥ずかしいことなんだなぁと、思いました。

過去の自分をひっぱだきたいよー。


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別の「○○のせい」。

私は、その会社が ASP から ASP.NET に移り住むための、社内フレームワークを作るために、「おっ、コイツ OOP できるらしいぞ、今度のは C# だから、C++使い というのも良いだろう*2」と、現場の外から連れてこられたのでした。私自身にとっては、非常に勉強になる良い機会だったのですが、正直組み込み屋のC++使いなんて連れてきている場合じゃないだろうと。

こういう「新技術ぶっつけ本番」なことは、いろんな現場で当然のように行われていて、当然のようにプロジェクトが失敗していく。このプロジェクトが ASP.NET に乗り換えた動機は、営業上の理由(拡張子が.aspx なだけで売り文句になるんです、と言われた(^^; )で、そんな上の鶴の一声で、その技術に対しての無能者の集団にやらせても、コストは掛かるは失敗するはは当然のことです。

でも、このプロジェクトの失敗は、案の定 OOP のせいにされてしまったのですよね。(曰く「このビジネスドメインオブジェクト指向はマッチしなかったのが失敗の原因だ」....orz)

みんな、踊るネタとスケープゴートを求めているんだなぁ、としみじみ。


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と、「スーツのせい」なことをつい言ってしまいますが、技術者個人に視点を移せば、「やったことない技術だから失敗した」も十分格好の悪い言い訳ですね。もちろん、なんでもかんでも、というのは無理なのですが、それでも、プロであるならたとえ自分の仕事と関係ない技術であっても、押さえておくべき「最低限」はあるかな、と思います。(私、出来ていないなぁ...orz)

(蛇足:プロジェクトをぶっつけ本番で動かしちゃうことによる失敗やコスト高を見込まないこととは 別の話です。「○○のせい」じゃなくて「カッコ悪いよね」といった話です。)

そんなこんなで失敗ばかりのプロジェクトだったのですが、技術者の私にとって転機となった、忘れがたいプロジェクトです。


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というわけで、「○○のせい」と言う前に、それを言う自分が酷くカッコ悪く無いかを 頭によぎらせるのが、個人的なさじ加減としてはいいかな、と思いました。(私は なんでも他のせいにしがちなので)

*1:この頃はまだ本と言ったら黄色いMSの出しているやつしかないし、Webにも殆ど情報はないし、なので、余計、バカしやすかったです

*2:C系言語という括り。なんじゃそれ、となるのは技術者の視点で、上の人たちにとっては C とか Java とか Basic とかは、ブランド名になっちゃうんですよね。