つれづれ

その67

日経ソフトウェアの今月号(6月号)の特集に「コレで納得!オブジェクト指向」という見出しが表紙にあって、ふと本屋で立ち読みしました。内容的には「うーん」な感じ。


3部構成になっていたのですが、1部目がちょっと酷いです。だいたいが「オブジェクト指向でなぜつくるのか」の要約・・と言う流れなのですが、比べものにならない程劣化しています。だって、「とぶ」インターフェイスの実装として「飛ぶ」と「跳ぶ」という別の実装ができるのがポリモーフィズムだ、、、とか書いてあって、もう、どこから突っ込んだら良いのやら・・・orz

一方、続く2部目のほうは打って変わってまともな印象。アプローチとしてはDVDと本のレンタルシステムを非OOPからOOPへ書き換えながら、OOPを説明する内容、ざっと見た限り問題はない、かな?コラムの方が好印象で、クラスの無いOOPLの存在や、継承の危険性とかに、一言触れたりで(なにげに sumim さんちへのリンクが張ってあったりw)タイトル共々わたしの 琴線にふれます。1部のあまりの酷さにスイカお塩効果でよく見えてる可能性はあるかも、なのですが・・・。

3部目はさすがに立ち読みでじっくり読むのは気が引けたのでパスしたのですが、パッと目に入ったクラス図にはちょっときな臭い香りがしてたりで、ちょっと怖いかも(本文読んでないので気のせいかも、なのですが)。

・・・うーん、このごった煮っぷりに、買ってきてじっくり読もうかは悩んでしまう。だれか(たとえば JavaBlack さんとか)レビューしてくれないかしら(と、他力本願を遺憾なく発揮)。

その68

バーチャロン熱が上がっているので、ついついコトブキヤのテムジンのプラモデルを買ってしまいました。プラモデルつくるのなんて、本当に久しぶりだぁ。

で、組んでみた思ったのですが、これはイかれています。プラモデルの文法で作られていなくって、まるでガレージキットみたい。プラモだと肉厚ボッテリな固まりのようなパーツは成形できないのだけれどそれは表と裏のボックス状にパーツを貼り合わせればよいのです。が・・・テムジンの足首アーマーみたいな、フチを折り曲げて誤魔化すのがフツーなのまでそうなってるのですよ。

それとか、モールドが甘くなるところを別パーツにしたりで、

なんと足首アーマーで7分割!

一事が万事こんな調子だから作るの大変ですし、内部フレーム再現模型でもないのに、出来上がったテムジンのずっしり重いこと!

出来たときの満足度は非常に高いのですが(にやにやしちゃう)、夜の9時に作り始めて完成したのが翌朝の5時とか、週末のメインイベントになってしまうとは...orz

その69

定期的に欲しくなる LOMO LC-A。今回のトリガーは けいおん! で、澪が使っているカメラが LC-A だからです。(お話でも澪の「ネガ出せ」発言にニヤリとしてしまったり)

LC-A が素敵なのは、

  • 可愛いデザイン
  • 毎日持ち歩けるサイズ
  • 原始的なカメラであること

のバランスだと思います。特に3番目が肝で、今時の日本が作るとオート三昧で失敗させてくれないし、シャッター落ちるまで時間が掛かりすぎてイヤンなのです。オリンパスのXA なんかもいいのですが、あちらは「かわいい」よりは「カッコイイ」よりなので好みが別れるところ。

いつも思うのですが、トイカメラって普通に露出計ついてなかったり、目測だったり、ファインダーがいい加減だったりで、撮影の難しさは クラカメ(しかも戦前クラス)に匹敵すると思うのですが、それをつかってても「スゲー」と成らないのがいいのかも、とか思ったり。カメラ趣味のおじさまが、クラカメ使うのに露出計(コシナのVCメーターとか)が必須とか言ってみたり、ニコンD40 で古いレンズを付けるとフォーカス動かない/露出計動かないから実用的でないと、苦言を呈する姿にくらべ、こちらのほうが ハードでロック な写真生活だと思うのですけど、与える印象はゆるふわ系・・・というのが、トイカメ生活の魅力なのかな?、と思ったり。

その70

ニコンD5000 に触ってきました。感想は正直微妙。理屈で考えると素敵なカメラなのだけれど、なんかこう、心の中心の部分では素敵に思えていない自分に気がつくというか、不思議な感覚でした。

わたしはウエストレベルで写真を撮りたい人だから(愛用デジカメはスイベルコンパクトのCOOLPIX2500ですよ!)、もっと心引かれると思ったのですが、手に取ってみると、どうも D40 とか D60 とかの方が撮影するのが楽しい自分がイメージされるのよね。うーん。

サイズがD90並・・・という話は嘘だなぁ、と思いました。並べて見比べれば、やっぱり小さいよ。ただ・・コロンとした印象があるのは確かで、なんとなくニコンのかつての APS一眼 プロネア600iを連想させます。・・うん多分カメラとしてのクラスも、コレなんでしょうね。D40に感じるプロネアS的なクラスではない。別のたとえなら、EM(=D40)とFG(=D5000)の関係に近いかな?、とおもったり。

というわけで、これは男の子向け(男の子回路をワクワクさせる方向の)のカメラだと思います。

その71

Xbox360 は、オンラインとオフラインの境目を全然感じない変なゲーム機で、フレンドが、オフラインのゲームを遊んでいても、そのゲームの、何を遊んでいるか(例えば期待カスタマイズを愉しんでいる、とかとか)が手に取るように解っちゃう。「実績」というシステムのせいで、その人が過去にどのゲームをどれくらいやりこんだかも解っちゃう。これって、プライバシーとかどうよ!・・とか思ってしまうのだけれど、反面面白いなぁ、と思う。常時オンラインというこの感覚は楽しいです。

体験版も落とし放題ですし、なかなか環境としては楽しいハードだと認識を改めた わたしですが、ごくごく個人的な要望として、ハードデザインの可愛くなさはどうにかして欲しいところです。小さくして・・がムリなのは解ります。でも、可愛く(またはかっこよく)して欲しいところ。・・・だってどこからどう見てもパソコンで、AVラックには死ぬほど似合わないのですもの。

その72

OOP でよく動物の系統樹にクラスの継承木をマッピングする例が飛び出すけれど、これは生物のほうからみても、全然よろしくありません。

まずはこちら

恐竜時代のワニの多様性について。-古世界の住人

こちらを見ていただくと、ワニが犬のようであったり、草食であったり、イルカのようであったり、鯨のようであったりするのです。

進化(小進化)は、ニッチにあわせて、現在の体制を上手くアレンジして自身の外形を変えていきます。よって異なる体制・関係ない系統樹にいる生き物が似たような形に収斂します。これはクラスのたとえ話における型(インターフェイス)側に当たる話で、環境の求めるインターフェイスを持つように生き物側が自身のインターフェイスの実装を整える感じ。

一方、動物の系統樹は体制(大進化)側の話で、外界とはあんまり関係ない、生き物の内側の仕組みのお話です。これはクラスにたとえた時は実装のお話です。つまりよく見る動物継承たとえ話は実装継承になるのですね。ポリモーフィズムは直接関係しません。もっとも、体制の善し悪しは技術的負債に似た話で、良くない体制は出来ない(新たな環境に合わせて修正できない)ことを作ってしまうので、完全にフリーとは行かないのですけど。

ということは、逆に、ニッチがインターフェイス、収斂がポリモーフィズムの例・・とした方が、OOの「わかりやすい(=読みやすい)」説明としては使えるのかな?

その73

なぁんてコトを書いたのは

眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く

眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く

を読んだからだっというのは、キミとワタシのヒミツだ!・・・・ミーハーなんです、わたし。


進化上の大事件、カンブリア爆発は、「目」が誕生したことによるニッチの拡大(生き物が世界を認識できるようになったことによる新しい進化圧の発生)によるものだ、という説を説明してくれる本で、読み進めるのがじれったいのは気になったのですが(でもちゃんとした説明をするためにやむを得ないところ)、とても面白かったです。おすすめ。