Θ 11番ホームの妖精

スワロウテイル人工少女販売処 が面白かったので。スワロウテイルの著者紹介で「夢は人工知能との結婚」とあるだけあって、表紙の少女も魅力的です。(人工知能じゃないんですけどね)

θ(シータ)―11番ホームの妖精 (電撃文庫)

θ(シータ)―11番ホームの妖精 (電撃文庫)

それは春風のほの暖かいある日、私が少し遅めのランチをちょうど終えた頃だったのですよ。

と独特の語りだしでいきなりわたしを魅了する彼女は、銀の髪と瑠璃色の瞳を持つ妖精*1の名をもつ背筋のしゃっきりした少女、T.B.。近未来、C.D.(high Compress Dimension transport)と呼ばれる「どこでもドア」のような技術で運行される鉄道、その東京駅11番ホームの三等駅員 です。

銀鏡を介して遠距離を結ぶそのテクノロジは、便利すぎるからこそそれは脅威であり、その技術を独占していれば、それはきな臭くなろうというもの。

スワロウテイルでも見られる、世間の(政治の、世の中の)嫌らしさに翻弄される T.B. ですが、彼女もまた気高く、世界を相手に一歩も引かない姿は美しく、愛おしい。

「十三月さん、見ていてください」
私は微笑んで十三月さんを見下ろします。
「世界はいつも私たち人間をその大きな流れで翻弄して弄びます。でも、それに負けて身を任せたりは私はしません。あなたの問いに私はちゃんと答えられていないけれど、もしかしたら私の悩むあなたの救いになるように、願っています」
「ママ……死ぬ?」
「死にません、きっと。大丈夫なのですよ」

正直に言えば、スワロウテイルのような凄みもなく、ごく普通のライトノベルに留まっています。世界観も人物も魅力的な物があるだけに、激しく「惜しい」と思わせます。

ぶっちゃけ 物語がキャラや世界観に負けちゃってるのです。ようするに激しく続編がかかれそうな内容なのですが、既に2年もたって音沙汰なしなので、残念ながらでなさそうで、そこが堪らなく惜しいです。(ラノベの生存競争は厳しいですにゃあ)

*1:なんだかデジャブ。電子の妖精?・・・いえいえ性格は全然違いますョ