つれづれ
その415
標高さんの OO dis シリーズ をネタにして、ちょっと気合いの入ったエントリーを書いてたのだけれども、結局没にしました。
話の骨子としては、「オブジェクトは原罪」と言うけれど、そのこと自体の是非はおいといて、その理由を 「Self の破壊的代入」とか、「状態とアイデンティティの混同」に求めるのは、本質じゃないんじゃないかしら、という疑問を提起。
パラダイムは「善悪」の価値観すら変えるものだけれども、そこをパラダイム間で汎化するならば、「副作用は悪」は「カプセルを破壊するものは悪」の特化かも、という話と、OOのカプセルは メソッドじゃ無くってオブジェクトだよ(グローバル変数という状態が関数というカプセルを破壊する話は、メソッド⇔メンバフィールド間では 対応しないよ)、という話をして。
たとえ破壊的代入であろうとも、カプセル内に封じられれば、それは問題ないよね(例:ローカル変数)。だとして OO はどうなの?(封じられているの?)と展開させて。
オブジェクトは Simula において サブルーチンの拡張――(半)コルーチンとして生まれたよ・・という話を梯子に、call/cc が たとえ破壊的代入をしなくても、状態を持ってしまうという(pure じゃなくなる)という話へ繋げて。
結局、オブジェクトの中で破壊的代入してるから 順序依存を生むんじゃなくって、計算中の計算コンテキスト間が、他者と相互作用した後に計算を継続しちゃうことの方じゃないかしら、なオチへ。
最後に、だれか 限定継続 とか モナドにつなげてください、といつもどおりの丸投げで〆る予定でした。
* * *
没にした理由は、時間が経ちすぎたことと(本当は前回のつれづれと間を置かずに公開するつもりでした)、(今回は)標高さんやそのエントリーをdisりたいわけじゃないのに、どうにも disってる風になってしまうこと。投げたボールを誰にも受け取ってもらえなさそうな出来になってしまったこと。
なにより、結局 どこかで見たようなエントリーにしかならなかったのが致命的でした。
OOP の 参照透過性を、メソッド単位で問うのはナンセンス。でも(ナンセンスじゃない)オブジェクト単位で見れば ピュアかといえば、コンストラクタ引数の情報だけで オブジェクトの計算が決まるわけもなく・・・的なお話は、まぁ珍しくないですよね...orz。*1
ただ、「call/cc が純粋じゃないのと構図的に似ている(例えば 通常なら封じ込められるはずのローカル変数への破壊的代入の影響が外に漏れちゃう)*2」的な部分は、書いてみたかった未練で、「『オブジェクトの原罪』は、生まれの(半)コルーチン から受け継いだ、ある意味まさしく原罪だった」的なオチは、やっぱり書きたかったわ、と。
そしてここで往生際悪く垂れ流している次第。
その416
十二国待望の新刊。12年ぶりとか、王朝が一山越えてしまいますよ、と小野主上には言いたいけれど、やっぱり嬉しい。
- 作者: 小野不由美,山田章博
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/06/26
- メディア: 文庫
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最近リリースされている完全版は 「月の影 影の海」以外買ってません。講談社X文庫版でそろえているのと、完全版は かな だった部分が漢字になった事以外変化が無かったからなのですが、
内容はやっぱり面白いなぁと、思ってしまう。特に「死刑」の是非を論じる話は、本当に興味深く、いろいろ考えさせられてしまう。
その417
攻殻機動隊 ARISE を見てきました。
一番印象的だったのは、音響ですね。オープニング/エンディングテーマも、BGMも 効果音も 音の位置に 懲りに懲りまくっていて、グルグル回ります。これは並大抵のお家では体験できないおで、絶対劇場でみておきたい。
一方で自宅でも楽しめる方。公安9課発足 前のお話ですが、素子が「少女」の空気を纏っているのが、とても新鮮でした。残滓といったほうが良いかしら。つまりは 未熟さ なのだけれども。
まだまだ「つかみ」の段階なので、ストーリーとかは多く語れず。次回が楽しみ。