デスニードラウンド

なんというか、よく出版できるなぁと。

デスニードラウンド ラウンド1 (オーバーラップ文庫)

デスニードラウンド ラウンド1 (オーバーラップ文庫)

作品の嗜好としては、ブラックラグーンな感じです。銃と暴力が荒れ狂う世界。残虐で、慈悲も善意も良心もない世界。主人公の「あぁ、どうして私はこの人たちをいい人だと思ってしまったのだろう」という独白が示すとおりの、ハードコアな世界観です*1

というふうに、ラノベという緩いパッケージング(多分表紙をみて買いたいと思った層)にはそぐわない本作で、ブラックラグーンのような世界観が好きな方におすすめ、というのが正しい姿です。高橋慶太郎さんに挿絵をかいていただくとかとか。

ですが、単純にそうは言い切れないのは、敵が ――なんというか、えっと、、、、、某ハンバーガーやさん の マスコットの黄色いピエロなんですよ...orz

ド真面目に不真面目という本作は、作者の優れた文章力をもって、一つの芸の域にたどり着きます。

彼の文章は、迫力を説得力をもって敵の驚異を読者にすり込みます。ド●ルドですけど。なかば恐怖映画のような非現実的な力の前に同しようのなく無力な人間を自覚せずにはいられない、敵がにじり寄ることの恐怖を読者に共感させます。ド●ルドですけど。

正直、深夜のマクド●ルドには行きたくなくなるような本作です。シリーズを追うごとに敵企業も変わっていくようなのですが、一体どこまで続行できるのか・・。

もし、この物語が最終巻まで紡がれるのならば、作者と出版社は強大な敵に立ち向かうことになるでしょう。

そう、タイトルが示すとおりの強敵が。

(デスニードラウンド、デスニーとラゥンド、デスニーラゥンド....あぁ、その名を口に出すのも恐ろしい...)


アサウラ先生のこれからのご活躍にご期待ください。

*1:超能力者とかでてきちゃうので、そういう意味ではもうちょっとファンタジーよりですが