つれづれ
その 454
ちょっと前に MF文庫J のセールがありまして、わたしのラノベ読みの友人に何かお勧めない?と聞いたところ、進められたのがこちら、「正捕手の篠原さん」
- 作者: 千羽カモメ,八重樫南
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2011/10/22
- メディア: 文庫
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こちらの小説は、最近の「ストーリのある4コマ漫画」を小説のフォーマットで試みた実験作で、なるほど一度は読んでみるべきだという友人の弁も納得です。
で、最後まで読み終わって最後のあとがきを目にした時、「やられたっ!」と思いました。
本書を手にとっていただきありがとうございます。 タイトルからわかるようにこの作品は一応野球ものです。見開き2ページ1エピソードの、「誰が一度は思いつきながらあえてやらなかった」形式でお送りしました。途中で中編をいくつか挟んではいますが、いかがだったでしょうか?
わたしがこのベリーショートが「見開き2ページ」というフォーマットに収まっているということに全く気が付きませんでした。4コマは 4つコマがあるから 4コマなのです。正捕手の篠原さんも「見開き2ページ」だからというものがあるのかもしれません。それはわたしは味わえなかった。
我が友人は紙の本をこよなく愛すのです。
その455
「オブジェクト指向でなぜ作るのか」が Kindle の月替りセールになっていますね。そういう季節の変化を 自エントリーへのアクセスで感じることができるくらい、なんだかわたしのレビューが 「オブジェクト指向でなぜ作るのか」と強く紐付いてしまっているのは、健全ではないな、と思います。
もちろんわたしが「オブジェクト指向でなぜ作るのか」を良い本ではないと思っていることは変わらないのですが、レビューはある程度 数が固まって、多様性を得られてこそ 健全じゃないかな、と思います。
というふうに言い訳して 第二版のレビューを先送りにしてきたのです。本音で言えば誰か他の人が詳しいレビューを書いて欲しかったり。でも、良い機会だからセールが終わってしまう前に Kindle版も買って また読み返して レビュー書いてみようかなとか、ちょっとだけ考えています。
その456
今年の2月から Excel 超大好きな現場にいて、正直もう辞めたいと思っています。3週間 Excel 書いて 3日コーディングして 1周間テストするような感じ。息ができないよー。
とはいえ、そこのExcel の使い方を見ていると、なるほど Excel が愛される理由がわかるなぁとも思っている自分がいます。その脅威の使いこなしはそのうち別の記事にするとして*1
日本の帳票文化を見ていると、どうも日本人の得意な抽象化は、「ツリー階層構造化」じゃないのだな、と思います。俯瞰で構造が見えてきて、寄ると詳細が見える構造がお好みに見えます。
また、Excel は かなり癖がありますが、ダイナミックドキュメントとして運用できます。やはりそこら辺は便利なわけで
ではExcel のダイナミックドキュメントとしての問題点を考えると
- 部分 が他の部分の「表のカラム・行の幅」に影響を受けてしまう
- Excel方眼紙はその解決のバッドノウハウ
- 名前で参照できない
- コードとビューが分離できない
- セル(オブジェクト)間の関係性を視覚化できない
- ズームイン・ズームアウト抽象が使えるとより好まれるか?
という点でしょうか。
ここを解決した ダイナミックドキュメントツールは、きっとかなりの需要があるはずです。
その457
わーい、第二期。信じて待ってましたヨ!
2期記念、ゆるふわアウトドアアニメ「ヤマノススメ」第1期が低価格BD化。全話収録で4,000円 - AV Watch
ヤマノススメのアニメは大好きで、もちろんBDも持ってます。スタッカート・デイズも大好きです。5分 x 13話(特典1話含む)なので、イッキ見するのもすごく楽ちんで、ちょっと心がつかれた時によく流しています。
5分とは思えない内容の密度と、それでいて駆け足感を全く感じさせないプロのお仕事は見事の一言。2期もその職人技を見せてもらえるかとおもいきや
今年の7月から放送される第2期は、15分×2クール(全24話)で放送予定となっている。
2期記念、ゆるふわアウトドアアニメ「ヤマノススメ」第1期が低価格BD化。全話収録で4,000円 - AV Watch
おー、今度は 15分。通常の3倍の長さだー。普通は嬉しいことなのですが、「5分アニメ」じゃなくなるのが惜しいと感じてしまうくらい1期は見事でしたので、みなさんも廉価版を機にお手に入れてみるのも僥倖かとかと。
その458
イッキ見といえば、ファンタジスタドールの 先月イッキ見をしていたのですよ。
きっかけは野崎まどさんの小説、「ファンタジスタドール・イヴ」
- 作者: 野崎まど
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/09/20
- メディア: 文庫
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もとのアニメはカードから美少女出てくる萌えアニメらしいのですが、小説は ハードSF になっていて・・、カードから少女を実体化する技術を開発する 科学者の内面を描いたものになっています。「人間失格」のオマージュにもなっていて、そういう重苦しい雰囲気になってます。まったくラノベじゃないですよ?
というか真顔でハードSF している事自体がひとつのギャグになっていて、現実のメタと合わせて読むべき内容かと?野崎まど らしい「どんでん返し」が小説の外に出ているという感じ。メディアミックス戦略でどうしてこうなったという、その存在自体がアレゲなあれげです。
この小説を読むきっかけは 100% が わたしが野崎まど のファンであることですが、それでちょっと「ファンタジスタドール」そのものが気になってググった所
以上のように、ライト層向けという前宣伝もあり、放送当初はニチアサ枠と呼ばれることもあったが、回が進むにつれて、カブトボーグなどと比較される凄まじいカオスアニメであることが発覚した。音泉のラジオトーク最終回で、「将来、娘さんが出来たら、このアニメをどのように説明しますか?」という質問に、主演の大橋彩香が「『ツッコミ力が鍛えられるアニメよ』みたいなですかね…」と回答したほど。
ファンタジスタドールとは (ファンタジスタドールとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
そんな概要説明に興味をもって、イッキ見してみたのですが、正直ニコニコ大百科の記述はちょっと大げさで、カブトボーグと比較するようなものじゃないと思います。
が、「ここ、笑いどころですよ」「ここ、突っ込みどころですよ」という空気をまったく匂わせず、作中人物たちはあくまでまじめに真剣にストーリが進んでいき、しかしただ淡々と描写が狂っているという、なんか時々自分のほうがおかしいのではないかと疑ってしまう、そんな作品でした。どうしよう、これ。
なるほど、これは正しくノベライズすると 「ファンタジスタドール・イヴ」になるなぁ、と納得してしまうものでもありました。
あと、BGM が 久々のキュアメタルで、音楽の中毒性は高いです。
力いっぱいネタバレですが、ニコニコ大百科の解説が良い出来なので読後に是非。
その459
ニコニコ大百科といえば、「野崎まど」のページのこの件が好き。
ボケとツッコミが主体のコミカルな序盤から、中盤以降は読者の意表を突く展開を次々と繰り出し、読み始めたときには想像もつかないような結末に辿り着くツイストの効いた展開と、ミステリ、SF、青春小説、ホラーなどの間を一作の中で飄々と飛んで渡るジャンルミックスな作風な最大の特徴。そのため、どの作品もどういう話なのかというのを一言で説明し辛く、詳しく説明しようとするとネタバレ不可避なので「とりあえず読んでみろ」と言うほかない。
野崎まどとは (ノザキマドとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
その460
「作りながら覚えるGit]」は、みねこあ 史上 もっとも多いブクマを集める記事となりました。それまでの最高が 60ブクマですから、446ブクマとか、正直何が起きたかわたくしさっぱりわかりません。
結構適当に書いている記事で、かつてオブジェクト指向関連の記事を書くときは 本とか論文とかガツガツ調べながら手間をかけて書いていたのですが、そういうときはあんまり伸びずに(10ブクマくらい)、こういうライトな記事が伸びるのはちょっと釈然とこないものがあります。でも逆に言えば、やっぱり読む方もライトな方が気楽に読めるということなのかな、と思いいたったりもしています。一方的な重さの提供は、やっぱり遠慮願いたくおもいますものね。
なので、記事のゆるさと、なにより、「Git 作りた〜い!」というふうな欲求を抱えた人が、世の中にいっぱいいた、ということが、わたしのブログらしからぬたくさんのブクマを集めた原因かなと考えています。
* * *
Git は 美しいデザインと爛れたUI*2 をもった魅力的なソフトウェアです。
その爛れたUI と Subversion という先駆者から思ってしまうまったく的外れな先入観が入門者に 「難しい」と感じさせる主因ですが、触れてみればそのデザインはとても美しいので その門をくぐった人ならば 誰もが自分も真似してみたい、作ってみたいと思ってしまう、そんな魅力が満ち満ちています。
プログラマならきっと同意してくれると思いますが、シンプルだけどうまくいく、というモデルは、理想だけれども、現実のソフトウェアでは結構珍しいものなのです。
GitObject が イミュータブルであり、TREE や BLOB が タイムアローの概念を持たないこと(VCS なのに!)、タイムアローな部分を Commitに捨象していることがどことなくモナドを連想させること、ミュータブルなインターフェイスとしての index の存在と、その投影である 実態のない「ステージ」という概念が興味深く感じます。
また、次回のネタバレなのですが、index と TREE のツリーは 基本的には同じものを別の視点から見たものになっていて、ですが、基本的じゃない部分(expandした部分)には ファイルアトリビュートを index が付与的に抱え込み、それが VCS としての状態を持った処理のために 必要なテンポラリであること。ということは、状態が捨象されていることなどなど、モデリングとしてとっても見事なのです。
いつかこういうものを作ってみたいな、と思うのですが、そう言う欲が「早過ぎる最適化」をセットになって、未来の自分をピンチに陥れる トラップになることばかりな経験しかないので、わたしはプログラマに向いていないんだな、としみじみと噛み締めます。精進あるのみ。
その461
個人的にはこれを使って BLOB = メソッドな Smalltalk を作ったらどうなるかとか、Wiki を作ると リンク先が作った時の内容で Fix されるけど、それは使いやすいのかとか、そういうことを考えてしまっています。