19セイコー

雑誌「古の時計」で火がついた あたしの懐中時計熱ですが、ついにというか、やっとというか、買ってしまいました。19セイコーです。

今までは、3000円のお買い得機械式懐中時計を使ってきました。これはこれでお気に入りなのですが、腕時計のムーブメントではなく、スモールセコンドの付いた「ちゃんとした」(というと語弊がありますが)懐中時計が欲しかったのです。

19セイコーは、戦前から昭和50年代前半まで続いた 機械式の鉄道時計です。あたしが購入したのは昭和42年のもので、針が青い最後のモデルです。購入元は、ホンマ ウォッチ ラボラトリーさん。所詮にわか懐中時計ファンなので、信頼できる時計師さんも知らないし、状態を見極めることも出来ません。そういった意味で安心して購入できるのが嬉しいお店です。(本間さん監修の機械式時計【解体新書】が面白かったというのも決めてです)

手に取ってみた第一印象は

  • 思ったよりちょっと大きい
  • 思ったよりかなり重い
  • 思ったよりうるさい
  • 思ったより文字盤に高級感が無い

でした(悪印象ばかりだなぁ)。それだけ期待過多だったということです。でも、触っている内にどんどん緩むほほを止めることはできず、1日たった今日では、大きさも重さも、チッチッチッと刻む音も、文字盤も、すっかりお気に入りです。(突然思い出したようにニマニマするあたしは、さぞ気持ち悪かったことでしょう)

19セイコーの裏側です。猫は「東鉄って何処?」ってくらい鉄道には疎いので、刻印自体はあまり嬉しくないのですが(無地の方が嬉しいかも)、でも「昭和42年」という刻印をみて、「ああ、あたしの心臓より長いこと時間を刻んで居るんだなぁ」と思うと感慨深いものがあります。あたしが生まれる前から駅で、電車で、使われてきたんだなぁと思うと何とも不思議な気分です。(鉄道時計なので想像しやすいシチュエーションなのが美味しいのかも)

出来ればあたしの心の臓が音を刻むのを止めるその時も、そばで時を刻み続けて欲しいなぁと思います。